私が食品の安全性について一番切実に取り組もうと思ったきっかけは1996年の遺伝子組み換え食品の輸入開始でした。遺伝子組み換え食品は、食品としての安全の問題以外にも農業の在り方についてや、一部の企業が食糧から世界を支配する未来など大きな問題と危険をはらんでいると思います。
健康で暮らすうえでも、今の子どもの安全な未来のためにもこの問題を避けることはできないと考えます。その視点に立った時、一番わかりやすくすべての要素を含んで可視化してくれているのが、この映画だと思います。パパ、遺伝子組み換えってなあに?はアメリカの10年位前の状況を映画にしたものですが、今では世界の国々でも遺伝子組み換えについてもっと学校で教えたり、国を挙げて禁止したりしているところもあるほどです。日本ではそのような取り組みはありません。だからこそなおさら、実際の状況を把握しておいたほうが良いと私は思います。
遺伝子組み換え食品の日本における現状
1996年に日本に初めての遺伝子組み換え作物が輸入されてから、25年が経とうとしています。普通に生活をしている中で、遺伝子組み換え食品を意識することは少ないのではないでしょうか?
遺伝子組み換え食品の事は知っていても、それが市販されている加工品の8割のものに入っているという現実まで理解している人は少ないのではないかと思います。
日本では遺伝子組み換え作物の生産は研究用以外は認可されていないので、一見遠い外国の絵空事に思えるかもしれませんが、日本の食品規制は緩いので世界で一番多くの遺伝子組み換え食品を食べているのは日本人だと言われています。食料自給率が低く多くの食品を輸入に頼っている現実があります。
大豆、トウモロコシ、菜種、綿実、ジャガイモ、てん菜は、有機作物以外はほぼ遺伝子組み換え食品が輸入されています。最近は米も遺伝子組み換え品種が出てきています。
これらは、人間が食べる食品としての加工はもちろん、家畜の飼料などにも使われています。
もちろん、安全が確認されているということを前提としたうえで認可が下りているから出回っているわけですが、安全を確認するための研究はこの技術を開発した企業が行っているものに基づいています。
技術的に企業秘密な部分が多いので第三者による調査が行えない部分もあるのも問題なんだと思います。
安全性についての疑問を提している研究者もたくさんいますが、その主張は今のところ認められているようには見えません。
しかし、遺伝子組み換えの仕組みを考えた時、その技術自体が問題なくてもそれを利用して生産される食品が安全かということには大きな問題があるように思えます。正直私は技術自体も問題ありだとも思っています。
遺伝子組み換え技術を簡単にご説明
遺伝子組み換えについて例を挙げてご説明しますね。
遺伝子組み換え作物とはその名の通り植物の遺伝子を組み換えたものです。
例えば大豆の場合ですが土壌バクテリアの遺伝子を組み込むことで除草剤をまいても枯れない大豆になります。この遺伝子組み換え大豆の畑では除草剤で枯れるのは雑草だけです。どんなに除草剤をまいても大豆は枯れないんです。なので除草剤まみれで大豆が育つことになります…。
トウモロコシの場合は、バクテリアの遺伝子を入れてトウモロコシを食べた虫を殺虫できるようになっています。虫がトウモロコシを食べて死ぬのに人間が食べても大丈夫なのでしょうか?
除草剤まみれで育つ大豆と、殺虫トウモロコシです。私はどちらも食べたくないです。
そもそも、遺伝子組み換え技術とは自然界では絶対に起こりえない方法で遺伝子の配列を変えることです。交配を繰り返しての品種改良とはそこが大きく違うところです。
遺伝子組み換え技術によって種の所有が企業のものになる恐怖
遺伝子組み換え作物も植物ですので花が咲いて花粉が飛び交配して増えます。花粉は風に乗って5キロ四方まで飛ぶそうです。そこに遺伝子組み換えでない作物があったらどうなるでしょうか?
そうです。勝手に交配して遺伝子組み換え作物ではないはずの作物が遺伝子組み換えになってしまいます。
その場合、遺伝子組み換えにされてしまった農園の経営者が遺伝子組み換えを作っている企業を訴えるというのなら私も理解できるのですが、実際は逆なんです。
遺伝子組み換え作物の種は通常の種より高価です。技術料が入っているからです。また作物から種が採れても来年また蒔くことは許されません。毎年毎年購入する必要があります。種の特許や所有権が企業のものである以上勝手に栽培することは許されないのです。1980年にアメリカの最高裁判所が種の特許を認めたことからこのような現状を迎えてしまっているのです。
特許のある遺伝子組み換えの作物を勝手に栽培したという理由で通常作物を作っていて遺伝子組み換え作物にされてしまった農家のほうが訴えられてしまうんです。そして実際裁判に負け、遺伝子組み換えの種を作っている会社の傘下に入るしかなくなるという悪循環がつづいています。
パパ、遺伝子組み換えってなぁに?
この映画は子供ができたことで食の安全について考えるようになったパパが、種が大好きな息子と家族一緒に遺伝子組み換えについて調べていくというドキュメンタリーになっています。多少の突っ込みどころはありますが、遺伝子組み換えについて理解するには十分だと思います。ぜひ一度ご覧になってみて下さい。
予告編はこちらで見ることが出来ます。
この映画を観ることで遺伝子組み換えについての現状をぜひ理解していただきたいと思います。
他にもいつくか食の安全や遺伝子組み換えについてご紹介したい映画があります。そちらも追ってアップいたしますのでぜひよろしくお願いいたします。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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